Show the Black

大川総裁から直々に、電話で本公演「Show the Black」へご招待いただく。
(参照→ http://www.okw.co.jp/schedule/index.html#hon
まいった。
総裁の舞台はこれまでずっと観たかったが、九州出張と重なっていたり、
イラク取材と重なっていたりで、観れないままだった。
これほど忙しい時期でなければよかったのだけれど、今はピンチだ。

ついこの間の週刊プレイボーイの総裁の連載記事で、北オセチアの学校占拠
事件について、私はロシア秘密警察の工作の可能性を強く匂わせた。
しかし、今表面的に判っている話は、そういう方向ではなく、
バサエフの犯行声明によって、少なくともチェチェン側のある勢力の関与が
はっきりしてしまった。
私はバサエフは今回やっていないと、ほとんど確信していたから、
総裁に間違った情報を伝えた可能性が高くなる。
総裁とも話したが、今回の事件は「兵法の天才」バサエフの仕事にしては
あまりにも稚拙で、無計画かつ短絡的だ。
犯行声明の内容も怖ろしく幼稚で独り善がり、プーチンに論理負けするほど
だった。
そして、犯行グループのうち複数名がFSBに逮捕され、獄中にいるはずの人物
だったことなど、矛盾点や未解明の事実がいっぱい残っている。
いずれにせよ、総裁と私は今後いろいろと、やるべき仕事を残してしまった
ということなのだ。
そういうわけで(?)、午後7時からの「Show the Black」千秋楽へ
いってきた。
総裁の作品だから、社会派のテーマなのかと思ったら、もっと前衛的な
ものだった。
90分間の上演時間中真っ暗闇にして、その中で音だけで芝居をする。
観客は役者の顔も見ることができず、闇の中でイメージを
自分で作ってゆく。
人間はそもそも闇に恐怖と不安を感じる生き物だというが、
作品内容が不穏で謎めいたストーリーであるにも関わらず、
上演中は不安になるというより、なんだか水の中を漂うような、
妙な安心感に包まれていた。
それは、「ザ・スズナリ」という劇場のアットホームさのせいかも
知れないし、総裁と大川興業の安心感のせいかも知れなかった。
報道は目の前にある事実をできる限り見せようとするが、
目の前の何かを見せないことで、そこにはないが、人の脳内にあるものを
自分で創り出して見せるということもできるのだと、勉強になった。