病院付き添いとつまらぬ映画

午前8時過ぎに家を出て、午後9時過ぎに麻布十番へ。
モトカノと待ち合わせて、病院へ。
病院では、モトカノはすぐに別室へ通されたので、
私は待合室で延々待ちぼうけを食らう。
持っていた本はたちまち読み終えてしまい、
パソコンを持って来ればよかったと後悔した。
午後1時頃、診察終了。
来院を渋るモトカノを無理に勧めて連れてきたが、
果たして、彼女は今後、継続的に診療を受ける意思はないという。
彼女は自分が病気だと認めたくない。
そのために、いろいろなことに現実逃避を試みては悪化させている。
治りたいという意思がないと、治るプロセスは始まらないわけで、
つまりモトカノはまだ、治るタイミングではないということだろう。

午後3時過ぎまで六本木のカフェでモトカノとそういった話をして、
別れて一人、銀座へ。
Canonの店で修理済みの望遠レンズを受け取る。
午後6時半から有楽町の読売ホールで映画「海猿」の試写会へ。
試写会券を6枚も入手していたのだが、平日の今日はみんな予定が合わず、
ギャルギャルハニーだけ呼んだ。
伊藤英明というイケメン俳優が主演とあって、
会場は女子高生や若いギャルギャルだらけだった。
果たして作品は…つまらなかった。
私はいわゆる「シラケ世代」だ。
うそ臭い感動ものやミエミエの演技に激しくしらけてしまうので、
テレビのロマンスドラマなどを観ていられない。
今日の作品は演技も音楽も脚本も、あまりにも稚拙で、
劇場用映画としては水準に達していない気がする。
海猿」はまさしくそういう、私が観ていられないような作品だった。
私は映画が始まってしばらくすると苦痛になり、
途中何度も時計を見ながら、ひたすら終わるのを待っていた。
海上保安部の活動を描いた作品なのだが、主人公は冒頭で一言、
「船上勤務は退屈だった」と言い切ってそれっきり、
潜水士こそ人命救助のエキスパートだといって、それだけを描く。
はっきりいって、事実と逆だ。
潜水士が出動する事態で生存している要救助者はほとんどいない。
彼らの任務はもっぱら遺体回収だ。
一方、退屈と言い切られた船上勤務者のチームワークこそ、
実際には海上保安部の人命救助活動の要だ。
海難にあって自力航行ができなくなった船舶に駆けつけて、
曳航したり、必要な水や食料、燃料を与えたり、
負傷したり衰弱した船舶乗組員を収容したり…
試写会のあと、ハニーとパスタの夕食を食べて、午後11時半頃帰宅。