報い

小さな、小さな、ひょっとすると聞き落としたかもしれない、
そんな音だった。
出掛けに、靴の紐を結ぼうと屈んだときに、それは聞こえた。
小動物が踏みつけられたような、鳥が絞められる瞬間のような、
なんとも頼りない、悲しげな悲鳴だった。
恐る恐る、ジーンズのおしりに手をやってみると、予感は的中した。
デニム地の間から、おしりの肉が手に触れた。

池袋のジーンズメイトhttps://www.jeansmate.co.jp/)で、
パンツを物色した。
試着室に入って、ウェスト30インチのワーカーズパンツを
試着しようとして、冷や汗が出た。

キツい。

嗚呼、学生時代の私ときたら、28インチのスリムジーンズを
颯爽と着こなしていたというのに。
この秋、食べ物が美味しくて美味しくて、
4日連続バイキングはしごなんてものをやらかした報いがこれなのか。

2001年のチェチェン従軍取材で、飢餓を体験してからというもの、
体質が変わったような気がする。
脂肪がつきやすくなった。

道理で、ギャルに全然モテないと思ったんだ。
このまま、オヤヂ化が進んでゆくというのか?
それは認められない!

今日からラマダン、断食月だ。
これを機会に激しく減量して、美しい私に戻ろう。
31インチと32インチのパンツを三本購入して、床爪荘に帰った。