古巣再訪

NBC長崎放送報道部に挨拶に行った。

かなりの報道部員が入れ替わったと聞いていたが、
偶然にも、私が訪ねたタイミングは4階報道部フロアに
よく顔見知った人たちばかりがいて、
懐かしい顔触れに再会できて、すごく嬉しかった。

長崎放送にはカメラマンが所属する部署「映報部」がある。
テレビ報道が他の報道分野と違うところは、
動く映像があるということで、映像の持つ力こそ、
テレビジャーナリズムの醍醐味だといっても過言ではない。

報道部の先輩記者たちは原稿の書き方や取材のノウハウを
指導してくださったが、現場にまでついてくるわけではない。
長崎時代に常に取材に同行し、テレビ報道とはどういうものかを
私に叩き込んでくださったのはベテランカメラマンのみなさんだった。

その映報部は、部員が3人に減っていた。

NBCを出て、東京のキー局と仕事をするようになって、
初めて分かったことは、大手キー局が優れた仕事をしているわけでも
小規模地方局の長崎放送がお粗末な仕事をしているわけでもなく、
むしろ優劣は逆だったということだ。

地方局たるNBCは、大手キー局に比べて経済的な基盤が弱い。
生き残りのため、過酷なリストラを行った。
その中で、特に映報部はすっかり規模を縮小されてしまった。

アフガニスタンチェチェンは、村々といい、戦場といい、
ため息が出るほど美しく、「絵」になる。
もともとカメラに触れたことすらなかった私は、
フリーで一人きりで取材する都合から、
一眼レフとビデオカメラを持って現場に立つ。
素晴らしい場面に出会ったとき、私はいつも、
「今、Mさんならどう撮るだろう?」とか、
「Yさんならどうするだろう?」と映報部の先輩方のことを考える。
そして、どうしてもうまく撮れないと、
「Nさん代わりに撮ってくれ〜」と、心の中で助けを求めてしまう。