穏やかな日

みよちゃんの取材は朝の2時まで掛かったのに、前川氏ときたら、
「遊びたい気分なので、これから新宿二丁目に行く。
遊びたい時に遊ばずにいると、
体にはよくても精神状態のためにはよくない。
いや、やっぱり六本木にしようかなあ」
などと言い出した。
日中体調を崩して、締め切りを延ばしてもらったところだというのに、
なにいってんだか。
「あたしはいくら飲んでも酔わない。
アルコール分解酵素が普通の人の10倍あるから」
といってるが、へべれけになったところをもう二回も見てるよ。
ダメだといっても聞きっこないので、断念するように誘導できないか、
そろりそろりと試みる。
疲れたから一人で帰るというと、前川氏はしばらく迷っていたが、
結局自分も疲れて眠いことに気づいたらしく、帰宅することになった。
帰り道でラーメンを食べようということになったが、
前川氏は途中のアンナ・ミラーズのショウウィンドウに並んだケーキに
魅了されてしまい、
結局二人でストロベリー・パイとココナッツカスタードを食べた。

役者たる前川氏はそのときその場面で別人のように雰囲気が変わり、
みよちゃんの取材を受けているときは「アネゴ」っぽい印象で、
正直私はちょっと不満だったのだが、ケーキを頬張りつつ、
芝居の話をして酔いが覚め始めると、生き生きしてきて、
いい顔になってきた。

前川家に戻ると彼女はすぐに眠ってしまったが、実は私は眠くない。
そこで、中央公論に提供する写真のデジタル画像をまとめる作業を始めた。
午前7時過ぎにHちゃん(前川氏長女)を起こす。
彼女が8時前に学校へ出掛けてしまうと、私にも眠気が襲ってきて、
前川氏が寝ているベッドのそばの床の上で眠ってしまった。
10時きっかりに、眠っていたはずの前川氏が私を起こしてくれた。

一旦東長崎自宅へ戻って、午後1時にカトリック社会問題研究所へ。
写真をお見せすると、機関誌で数点使ってくださるということになった。
さらに、意義深いお話がいろいろできた。

東長崎に帰宅して、中央公論に提供するイラクの写真を
まとめる作業に掛かる。
デジタルカメラで撮っているのだが、これを媒体に移すのに、
メカに弱い私はすったもんだしているところだ。

前川麻子氏のウェブサイトはこちら↓)
http://home.att.ne.jp/banana/enfant/