「不気味なほど甘ったるい」

10月6日のこの日記で朝日新聞のお粗末な社説
http://www.asahi.com/paper/editorial4.html
を紹介したばかりだが、
今日のホットワイヤード・ニュースは朝日新聞とは月とスッポンともいうべき
対照的な記事を載せている。
http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20021009208.html
うまいこと表現するなあ、と思ったのは、米軍のウェブ日誌の内容を
「不気味なほど甘ったるい」と評価したところだ。
朝日新聞の社説も、私はそう書けば良かったのだ。
ぜんたい、この二つは見事なまでにそっくりだ。
朝日新聞も米軍も、アフガニスタンで続いていることを
「不気味なほど甘ったるく」説明し、そこで行っている犯罪を隠蔽する。
米軍が以前、やはりゲームマニア向けに無料のパソコン・ゲームを配布した。
http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20020708201.html
プレイヤーが正義の米軍兵士となって、テロリストと戦闘を繰り広げる内容だ。
America`s Armyというこのゲームは大変な好評を博したのだが、
ただ一点、不満が寄せられているという。
「血が足りない」というのだ。
「ゲームの中で撃たれた兵士は誰一人血の海に沈まないし、
 痛みに悶えて神に助けを求めたりしない(ホットワイヤード・ニュース)」
米陸軍に若者を勧誘する目的で配布したゲームが
プレイヤーに恐怖を与えすぎては逆効果になる、ということなのだろうが、
恐らく狙いはどんぴしゃだった。
アフガニスタンを巡る情報を丁寧に解説して伝え続けたサイト「妖精現実」でも、
http://www.faireal.net/articles/6/08/#d20707
ものの見事に術中にはまり、America`s Armyを絶賛している。
それも、久保田弘信さんのアフガニスタンから送られた写真と並べてだ。
運営者曰く「いいものはいい」のだそうだ。
ゲームマニアならぬ私には、「いい」の基準が分からないのだけれども・・・
朝日の社説も、「人びとの表情は明るい」「自由が広がりつつある」
「(難民たちは)もはや平和が揺らぐことはない、と確信した」
と、薔薇色の現状と未来を明言し、
アルカイダタリバンの残党を「根絶やしにしなければならない」と主張する。
「根絶やし」はきっと撃っても血なんか一滴も流れない。
たぶん今日では、戦争を望むひとほど血が嫌いなのではないかと思う。
そういうことなら、私は今後も遠慮なく、
血の海・死体の山から伝えさせていただこう。