カフカス大戦

99年からの第二次チェチェン戦争は、チェチェン共和国だけではなく、
ダゲスタン、イングーシ、カバルディノバルカル、アブハジア
そしてグルジアにも、戦闘の火種が飛び火した。
今や、南北カフカス地方を巻き込んだ地域大戦と化しつつある。
第一次チェチェン戦争がチェチェンだけを舞台に戦われたのと大きな違いだ。
チェチェン勢力の元へは、アラブやトルコなど他地域のイスラム義勇兵以外に、
私が実際に出会っただけでも、アヴァール人、レズギン人、ノガイ人、
カバルダ人、バルカル人、イングーシ人、アディゲ人、アゼルバイジャン人、
アジャル人、グルジア人、ウクライナ人といった、
カフカス地方の少数民族が集結して、多数派のロシア人支配に抵抗している。

国家として公式にチェチェンを支援している国はないが、
グルジアリトアニアラトビアエストニアが秘密裏に支援している。
また、ウクライナチェチェンに好意的だという。

去年の冬の初め、私がパンキシを去る直前、
村のチェチェン人は経済的に困窮し始めていた。
それまでイスラム世界各国から届いていた支援物資が届かなくなったというのだ。
911以降、多くのイスラム市民団体が非合法化の憂き目にあい、
資金凍結などの処置を受け、それは彼らの人道支援にこそ大きく影響した。
今年の4月末、パンキシのハワジからの国際電話でも、
村のみんなが暮らしに困っているということだった。
どうも今は、そういう情況ではないらしい。
なにか知らないが、米軍がグルジアに展開したのと同時期に、
チェチェン人の立場にも大きな変化があった。
そして、ここしばらくの大規模越境作戦と大攻勢・・・
グルジアの意図的ともいうべきロシアとの対立深刻化・・・

筋書きがあるように見える。
以下の記事は、それが全然見えていないため、ミスリードしている。(↓)

USフロントライン
http://www.usfl.com/Daily/News/02/08/0825_008.asp

東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kok/20020826/eve_____kok_____001.shtml
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kok/20020826/eve_____kok_____001.shtml