ハワジとチェチェンを巡る動き(その1)

時事通信によると、グルジア外務省は22日に、ハワジ逮捕の一件について
「我が国と日本の良好な関係に何ら影響を及ぼすことはない」と言明、
身柄の取り扱いなどで慎重に対処する方針を示唆した。
グルジア発表では、ハワジは武器を所持しておらず、逮捕容疑は不法入国のみだ。
時事通信は「有罪となった場合、グルジアで服役するか、
日本に強制送還される公算が大きい」と分析している。

私が知っている事実として、グルジアはこれまで一貫して、
チェチェン勢力を秘密裏ながら、組織的・全面的に支援してきた。
グルジア当局はこれまでに、チェチェンからグルジアに越境した
チェチェン戦士十数人の身柄を拘束したと発表しているが、
これは単に再三の「テロ取り締まり」を要求するロシアへのジェスチュアだ。
もしもグルジア政府が正常な判断力を持ち続けているなら、
そういう中で拘束されたハワジが、たとえ不法入国だけであるにせよ、
重い刑罰を受ける可能性は低いと考えている。

こうした中23日、ロシアはグルジアに対し、4度目となる領土空爆を行った。
今回の空爆は三つの村に一時間半にもわたって行われ、
少女を含む住民少なくとも3人が死亡、7人が負傷した。
これまででもっとも大規模だ。
日本では朝日・読売が伝えている。(↓)
http://www.asahi.com/international/update/0823/012.html
http://www.yomiuri.co.jp/05/20020823id22.htm
チェチェン戦争に絡んでロシアがグルジア空爆したのは、
一回目は私がまだチェチェン内で取材していた99年11月、
国境地帯のシャティリで行われた。
二回目は私がアブハジア侵攻作戦からパンキシ渓谷に帰還したばかりの
去年11月、私が滞在していた村の民家から10キロほど北の別の村だった。
ジェットの轟音と共に「ドン!ドン!ドン!」と地響きが聞こえ、
空が真っ赤になったのを覚えている。
三回目は今月6日の深夜、トビリシ在住のやぶ蚊さんが
掲示板に報告してくださった。(↓)
http://www.koide.net/~sherko/bbs1/bbs.cgi
いずれのケースでも、ロシアは越境空爆の事実を否定している。
グルジア大統領シェワルナゼは毎回強く抗議している。