台場へ

台場のヴィーナスフォートというところに初めていった。
体育館を巨大にしたみたいな建築物の中に、
人工の空があり、夜明けから青空、夕暮れ、星空に移り変わる。
その下に、ローマの町並みらしきものが、
映画のセットみたいに三階建てに作り上げられ、
外界の灼熱の太陽とは無関係に、空調の利いた空間で、
若者たちはバルコニーのカフェにさざめき、アゴラの大道芸を見物する。
張りぼての世界だけど、ホンモノのローマよりもきっと快適な、
痛みも疲労もない空間だ。
自慢話ばかりしていたチェチェン人たちに、見せてやりたいなあ。
「グロズヌィは大都会だ。ないものはないんだ」
といっていたやつら、これを見てもまだ、負け惜しみをいうだろうか?
ニセモノは現実に比べて、なんと心地よいものか。