パンキシへ

チェチェン代表部からアルダモフ代表とともに車に乗り、パンキシへ。
グルジア軍の検問ではノーチェックだった。
アルダモフに伴われてシューラ(長老会議)に参加した。
ご馳走になる。
「食え食え。こんなのは月に一度しかないぞ」
確かに、こういうときはチェチェン料理はうまいと思う。
ドゥイシの入り口で、アルダモフは別れ際、
「立派なシャヒードになれよ!」と笑った。
気持ちのいい人たちだ。
やがてウアズのバンに乗ってシャムスディンが現れ、
私を乗せてくれた。
ウアズにはサラムという男が乗っていて、私と挨拶を交わした。
シャムスディンは、私にサラムに従うよう言った。
サラムが、私の司令官となるのだった。
ウアズはチヌバニに入っていった。
何一つ、変わっていなかった。
戦士たちは迷彩の軍服を着て、村を歩いていた。
シャムハンがいた。アリも、アブドゥルもいた。
アブドゥルはイングーシェチア経由で
チェチェン入りを狙うといっていたけど、
戻っていたわけだ。
ラムザンは寝ぼけ眼で起きてきた。
ちょっと太った。
半年振りに皆で冗談を言い合い、腹を抱えて笑った。
思いもよらぬほど、幸せだった。