総括でもないけど(その1)

国際ニュースが市民の関心を失ってしまった昨今、
誰に対してなにを伝えてゆけばいいのか。
それを自分なりに研究するためにこのサイトを立ち上げた。
加藤健二郎さんは軍事マニアの読者、国防問題に関心のある読者、
国粋主義に傾倒する憂国の読者を惹きつけ、独自の世界を築きあげたが、
軍事にも国防にも国粋主義にも関心のない私は同じ路線を行くわけにはゆかない。
減ってしまったとはいっても、SAPIO誌やAERA誌、週刊プレイボーイ誌などで、
細々とながら紛争地ルポルタージュは延命している。
が、その中身はどうだ?
フィクションの世界で発表される諸作品が小説、映画から漫画、アニメに至るまで
時代に合わせて進化、深化してゆくのに対して、
本来時代を写実主義で写し取るべきノンフィクションが時代から遊離し、
安っぽく一面的なデマゴーグに支配され、退行してゆくのはなぜだろう?
いくつかのヒントを得た。
サイトを解説してから7ヶ月、ときどき応援のメールをいただいた。
下さる人たちに一定の傾向がある。
私がここ数回記事を発表した雑誌といえばSAPIO誌なのだけれども、
SAPIO誌読者からのメールは全然ない。
それ以前に、国際問題に元々関心があって私のサイトに来てくれる方は
少数に見える。
多いのは、神経症鬱病などの心の悩みを抱えている方、引きこもりの方、
遠い世界より、自分の身の回りの問題に悩んでいる人たちだ。
富山のコーラン破棄事件の後、「2ちゃんねる」上で私の名前が挙がったが、
これまでのところ、誰一人私のサイトを攻撃しなかった
(IP情報が表示されない掲示板もある)し、
2ちゃんねる」上でも、中傷のようでどこか好意的にすら見える
書き込みが目に付いた。
この機会に、初めて「2ちゃんねる」を見たが、
さまざまな対象に向けて書かれている誹謗・中傷が、
とりもなおさず彼ら自身のコンプレックスを表明していると思う。
語気の荒さ、内容の過激さはそのまま、彼ら自身が抱える現在が
極限に近いことを物語っているように見えて仕方がない。
彼らは意外に、私と近いところにいるような気もする
東長崎機関」ホームページと私のサイトのアクセス解析を比べてみると、
顕著な違いがある。
加藤さんのサイトの訪問者は、深夜の他に正午から午後1時にかけて
激増している。
それに対して、私のサイトには昼間は訪問者が少なく、
午後4時から増え始め、深夜に最大になる。
(続く)