戦場にこだわりたい(その2)

被災者取材を否定するつもりはない。
現在進行中の戦場でなくても、
直前まで戦場であった地域の被害者の姿は
そこでなにが行われたかを伝えるのにもっとも有効だ。
つまり、負傷者や死体、瓦礫や廃虚など。
村田信一さんの写真を見ると、実は戦闘現場の写真は
全くといっていいほどない。
ぜんたいには被災者写真だ。
しかし、それは難民キャンプの女・子供の生活と
いったものではない。
夥しい数の死体と病人、重い後遺障害を残す負傷者だ。

戦闘場面の取材にこだわり続けたジャーナリストなんて、
今の日本では加藤健二郎さんぐらいしか
いなかったのではないか。
人道上の観点だけではなく、
軍事上の観点が必要と主張する加藤さんのスタンスは
軍事に全く興味がない私とは違うけれども。
日本で誰一人加藤さんに敵わないことは間違いがない。

さて、それで、戦場にこだわって取材を続けてゆくとして、
私はこれからどこへ行こう。
アフガニスタンに再び行ってもこの2年間、
状況に変化がなかった以上、
同じような戦闘現場の取材しかできないだろうと思われる。

チェチェンに行きたいのは山々だが、
チェチェン人がチェチェン内でもロシアでもなく、
トルコなんぞでハイジャックやホテルジャックを
繰り返しているところを見ると、
カフカスを越えての潜入はさぞや
絶望的な状況なのであろう。

そうすると、私はやはりギャルギャルリゾートへでも
いってるしかないではないか。
ああ、結論が出てしまったよ。

おかしいなあ?

ちなみに、サバトは朝まで続いた。
グレート今岡大先生は例によってついに逆上し、
唯一のかわゆい弟子の私を破門してしまわれたのであった。