VISAの手配

トヴェルスカヤ22A番地にMGCトラベルという旅行会社があって、
VISAの手配を引き受けていることがわかった。
探し当ててみると、英語を話す女性スタッフもいて愛想もいい。
これまで使っていたプール社よりもずっと良さそうだ。
1年マルチ・ビジネスVISAのインビテーションは96ドル。
ラトビアからプール社に手配したときの料金がしめて270ドルだったから、
大使館に支払う手数料を考えても、
100ドル分以上こちらが安上がりになりそうだ。
ただし、VISAには訪問都市が記入されるスタイルらしい。
「モスクワ」とだけ書き込んだ。
VISAを受け取ったら、インク消しで記述が消えるかどうか試してみよう。
問題はこれから役所が冬休みに入るので、
本来21日後のはずのインビテーションの発行が1ヶ月後にずれることだ。
1ヶ月後の1月20日には、さすがに私は帰国しているだろう。
インビテーションができても、受け取れないかもしれない。
しかし、幸いMGCトラベルはプール社と違って、
E−mailアドレスもWebサイトも持っている。
帰国前にメールで話し合うことができそうだ。

ガリーナの家には日本人旅行者が置いていった文庫本が2冊あった。
前回までの経験で、取材が長期にわたったときの
日本語出版物のありがたさが身に染みていたから、
今回取材が長期になる予定はないにもかかわらず、
貪るように読んでしまった。
眉村卓の「わるノリ旅行」と妹尾河童の「少年H・下巻」。
実はバックパックの中に三島由紀夫の「金閣寺」を忍ばせてある。
これはできるだけあとまで、読まずに取っておきたい。
ガリーナの家の文庫本は、持ち出すわけにもゆかないから
今のうちに読むしかない。
「少年H」はなかなかだったが、「わるノリ・・・」はさっぱりだった。

読み終わったときには、午後9時を回っていた。
それはそれで、無駄な時間の使い方をしたような気になった。