未来について

アジアプレス大阪オフィス代表の石丸次郎さんから
連絡をいただいて、田端でお会いした。
先日の野中氏と私の意見対立を踏まえて、これからどうするかという話だ。
「電波メディア、出版メディアともに日本では、あるいは世界でも
国際報道を今後真面目に取り組もうという動きはない。
部数にも視聴率にもつながらない国際報道からは
大手メディア全てが撤退の方向だ。
私たちの活動の場は狭められる一方で、
実際これからやってゆける目処がまるで立たない。
そこで、アジアプレスは新たなメディア・インターネット時代に
適応して生き残りに賭ける。
君はどうする?
三年後、五年後、どんな自分でいたい?」

自問しながら、私が答えられたのはこういうことだった。
居続けられるだけ、私は現場にいたい。
収入が右肩上がりでなければならないとか、
安定した発表先が確保されなければならないということは
アジアプレスという組織を維持するという目的や、
あるいは人生にそんな価値を追求する人にとっては
大切かも知れないが、
私という個人がただ生きていればいいということであれば
メディアの国際報道体制がいくら縮小されるとしても
ゼロにならない限り問題ない。
今、私が危機感を感じているのは、
メディアの国際報道への関心の薄さではなく、
私自身の取材者としての能力だ。
以前、この日記に書いたように、
国際報道に関心が低いのは読者、視聴者の責任よりも、
私たち自身の責任の方が大きいと思っている。