ガザより No.2

昨日の夜、ガザ地区内に入って、車の中で嗅いだいやな臭いは死臭でした。
中心都市のガザ市でも、今現在、市の半分が全く電気がないままで、昨日、
ラファからガザまで車で走る途中の大半は真っ暗でした。
ガザは2000年以来二回目、パレスチナは3回目ですが、今回の攻撃は今までの
二回とは桁が違うデタラメさです。今までイスラエル軍というのは、国際社会の
批判を回避しようと、いろいろ手を尽くして「人道的」であるように
装っていたと思うのです。今回も、彼らなりの努力の跡は認めます。たとえば、
空爆前に目標の家屋にわざわざ電話をかけて、住人に非難を促したり。
しかし、そういう取り繕いをもってしても、今回の攻撃のデタラメさを
人道的に装うことは無理だったようです。
モスクも病院もむちゃくちゃに破壊されていましたし、国連施設も壊されて
いました。病院は女性や子どもの被害者で溢れています。
今日数時間、取材で回っただけで、まだほとんど観ることができていません
が、仰天の連続です。
イスラエルは、「ハマスを弱体化させた」としていますが、どうもまったく
そうではないようです。ハマスは大して傷つかず、無関係の市民ばかりが
殺されています。米国がイラクを攻撃したときに、大量破壊兵器に関する
CIAの情報が間違っていたことがあとから問題になりましたが、今回の
イスラエルの攻撃は、相当に、イスラエル情報機関の間違った情報に
踊らされた観があります。たぶん、イスラエル当局が「武器が隠されている」
などと判断したのであろう多くの場所が、ふたを開けてみれば、ただの
市民生活の場所であった、などというケースです。