遅刻

昨日は上智大新聞学科で最後の講義をしてまいりました。前回までの二回は
取材の体験談だったので、あんまり細かい準備はしなかったんですが、今回は
「ジャーナリズム論」みたいなところに踏み込む必要性があったので、
パソコンでカンニングペーパーを作ることにしました。インドネシアから帰国
する機内でだいたいできあがっていたのですが、家を出る前に見直していた
ら、手直しに没頭していたようで、ぼくの頼もしいモバイルマシン・
Samsung i780が「上智大講義開始15分前」を警告してくれたので飛び上がり
ました。大慌てでバイクを駆って上智大へ向かったのですが、13分も遅刻
いたしました。
ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。
簡単にいうと、フリーの戦争報道記者なんて、お勧めしない、という話を
しました。ハッタリでしのいでいるタレントさんタイプのジャーナリスト
まがいのものになっても仕方がないし、アフリカやアジアや中東や中南米
現場に入り込んで何年も報われぬ取材をひたすら続けている若い人たち
マネをやれなんて、日本で普通に生活しているイマドキの学生の皆さんに
ぼくはとってもお勧めできません。親も泣きます。
それに、誰も行きたくないそんなむさ苦しい現場に這いつくばって辿り着く
人たちは、ぼくなんぞがお勧めしなくても、新聞社やテレビの入社試験に
受かろうと落ちようと、一生安泰な給与を確保しようと、極貧生活をしよう
と、世界中から批判されようと、警察や軍隊に脅迫されようとも、結局は
いつか必ずそこにやってきます。
そんな人たちが今日の学生さんたちの中にいるとしたら、その誰かに
少なくともぼくがわざわざ「お勧め」なんかしなくてもいいはず。