銃器対策ではなく、問題は警察腐敗

長崎の伊藤市長射殺事件後も、県警は水心会を潰すつもりがないのだそうだ。
もちろん、水心会が出した解散届など偽装に過ぎないことは誰もが分かって
いる。潰すつもりがないというより、潰す能力がない、というのが実態だ。
長崎県警水心会と一心同体だから。
愛知県の立てこもりでは警察特殊部隊SAT隊員が射殺されたが、殺した男は
ドシロウトのちんぴらヤクザだった。こちらでも新聞の社説などで「銃器対策の
強化を」などという文言が目に付くけれど、それは問題の本質ではないし、大手
メディアがそんなお為ごかしに気付かないのは情けない。対策すべきなのは警察
の犯罪組織化だ。
いい加減、警察官がヤクザの縄張り争いに荷担したり、警察官がヤクザに
みかじめ料を納めさせるのを取り締まるべきなのだが、恐ろしいことに日本には
警察を監視し、警察官の犯罪を取り締まる組織が一切ない。警察内部に観察課と
いうのがあるが、ここはいわば、自分の同僚に手錠をかける仕事で、まじめに
仕事をしても上司に対しても部下に対してもいいことはなにもない。事実上、
機能していない。
つまり、警察はヤクザを取り締まるどころか、ヤクザに取り込まれて、
ヤクザを管理する上位の犯罪組織となり果てている。いや、「上位組織」
ならまだいいが、聞いているいくつかのケースでは警察官がヤクザに
管理され、利用されている。
そもそも、個々人の暴力団対策の刑事に話を訊いても、彼らの頭にあるのは
暴力団撲滅や壊滅ではなく、「共存」「共生」としか呼ぶほかないような
おかしなモラルだ。
警察が腐敗した他国の悲惨な現状を見てきたが、日本ではただ、その実態が
まったく表に出ていないというだけで、より悲惨かも知れない。