締め切り前夜

東長崎機関エージェントにしてギャルギャル編集者T氏の原稿の取り立て方。

(未明に携帯が鳴る)

はいっ!常岡です。もちろん原稿は順調です。
バリバリ書きまくってます。

「いえー、原稿取立ての電話じゃないんですよー。聞いてくださいよー。
さっきそこでオヤジとすれ違ったんですよー」

あ、はいはい。

「オヤジに歩きながら携帯で喋ってるのを咎められて、
思わず言い返した上、逃げるオヤジを追い回してしまったんですよ」

ひええ〜!原稿マジメに書きます書きます書いてます!

「えー、そんなー。原稿取立てのつもりなんかないですよー。
それでね、この間も電車乗ってて、オヤジにからまれたんですよ。
聞いてくれますか?迷惑だったら言ってくださいね」

迷惑だなんて滅相もございませんなんなりと!

「あのねー、足組んで座ってるのがどうだとか言ってきて・・・
それで、またバトルになっちゃったんですよー。
このハゲふざけんな今から刺しに行くからなとかいってー」

ひええー!ごめんなさいごめんなさい。
実は原稿書かずにギャルとお茶飲んでました。

「やだなー、そんなこと聞いてませんよー。
ただお話聞いて欲しいんですよー。
それでねー、あたし最近ケバ立ってて、
キレると何するか自分でも分からないんですよー」

ええっ!?ごめんなさい実は原稿ほっぽり出して
ギャルとうどん食べてました。

「やだなー、常岡さんにひどいことするわけないじゃないですかー。
でも私この世のオヤジが憎くて憎くて仕方がないんですよー」

あのー、ひょっとして酔っ払っていらっしゃいますか?

「あははー、一滴も飲んでないですよー。
しらふでこれって、やばいですかねー?」

ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!
原稿マジメに書きます書きます書きます。
(以下、ほぼ繰り返し)