「シェルコの情報公開」について

ジャーナリストなんてのは社会のクズだし、私もその一人だし。
私が戦場にゆくなんてのは、フリーターがバイク便のバイトで稼ぐのと
なんら変わるところはないし、実際ただのバイトだし。

確かに、イラク戦争の時期から私のサイトを閲覧し始めた大多数の
人たちには、「公開恋愛」なんて、何のことやら分からないだろう。
しかし、もともと我が「情報公開」はイラクからのリアルタイムリポートを
送るために始めたサイトではない。
「情報公開」は戦場で腰を抜かした翌日に、
ギャルにフラれて落ち込んだ話を書くためのウェブスペースだ。
日記の初めの方にも、本記にもそう明記している。
イラク自体私にとっては短期バイトの現地集合場所でしかなかったし、
イラクからのリポートなんて、ますますもって私にとっては
どうでもよかった。
ヤフーの検索サイトで「イラク戦争」と入力すると私のサイトが
出てくるので、私のサイトはそういう目的のサイトだと
誤解されてしまうのが、実は不満だった。
実際にはただ、他の自称ジャーナリストどもがあまりにも愚かなので、
こういう最低限やっておくべきことを私と久保田弘信氏以外に
やるものがなかったというだけの話だ。
彼らの仕事はバイト未満なのだ。

前川氏が今までやっていたことをそのまま続けたのと同様、
私も当初のコンセプト通りに自分のウェブサイトを運営したに過ぎない。
ただ、私は今まで、戦場からの報告は好きなように書けたけれど、
異性と過ごした時間の詳細については、
相手の女性のプライバシーの問題などで、
これまでかなりぼかした形でしか書けなかった。
たとえ匿名化したとしても、自分と私の二人の間だけのことだと
思っていたことがデリカシーなく世間に曝け出されるのを喜ぶ人は
少ないものだ。

前川麻子氏との出会いは、恋愛としてうまくゆくとか
ゆかないとかといった結果に拘わらず、
そういう点で私にとって非常に大きな価値があった。
彼女は自分のさまざまな側面を世間に見せる勇気を持っているからだ。

イラクにしろ、アフガニスタンにしろ、チェチェンにしろ、
戦争のニュースをそれだけで自己完結的に伝えることに、
私は限界を感じていた。
なぜなら、それは私たちに一見何の関係もないからだ。

しかし、911のニューヨークでの出来事を見た人たちの多くが、
それが自分に直接関係があることではないか、という思いを抱いただろう。
(続きます)