ハワジについて(その1)

軍事マニアとか、戦争オタクとか、
私は実はそういう人たちに大変な気持ち悪さを感じるタイプだ。
日本人で、「戦争・傭兵に憧れて」とか「かっこいい」とかいう理由で、
ビルマボスニアに戦争に行ったり、
フランス外人部隊に入ったりする人たちがいるが、
そういう人たちの自慢話ほど、おぞましく聞こえるものはない。
ところが私はハワジについて、そういう気持ち悪さを感じない。
なぜだろう?
ハワジは、ビルマ国境地帯のカレン日本人義勇兵みたいに、
自衛隊員同士情報交換しあって、噂に引かれて集うでもなければ、
群れるでもない。
たった一人で、「チェチェン人がひどい目にあっている、なんとかしよう」
という思いだけで、海外経験もないのに、
なんの予備知識も持たずにパンキシにやってきた。
去年の7月、初めて彼に会ったとき、ハワジはいった。
「生きて帰るつもりなんかない。
 おれはサラリーマンみたいに、人生に退屈して死ぬのがいやなだけだ」
それが今年、一時帰国した東京からの再出発前にいっていた。
「仲間のところに戻らなきゃ」
そして、戻っていった。
(その2に続く)