高価なパレスチナ人

「メディアはパレスチナでの出来事を見て見ない振りをしている」
という平和主義市民運動の皆さん、
ネパールの衝突で今まさにパレスチナを上回る市民が殺されていますけど。
チェチェンでも延々、組織的な市民殺戮が続いていますけど。
「聖地」ゆえに世界中に注目されているパレスチナでは、
人の命が米国を上回って世界一高い。
米国の路上で名もない市民が殺されてもニュースにはならないが、
パレスチナの子どもが殺されると翌日には世界中の新聞に載るのだから。
運動家の皆さんは自分たちがよもや命の重さを軽んじているとは
夢にも思わないだろう。
それはそうだ。
彼らは「見て見ない振り」をしているのではなく、全く見えていないのだから。
同じように、これまでにも全く見えなかった人たちが大勢殺されていった。
「聖地」に住んでいる市民だから重要だという、
この平和運動家の皆さんの“無意識下の”価値観は、
バーミヤンの大仏破壊を重大視してヒステリックに騒ぎ立て、
現地での戦争や経済制裁による市民殺戮を無視してきた視点と、
本質的には変わるところがない。