私はジャーナリストが嫌いだ

私はものすごーく思い上がったジャーナリストだ。
他のジャーナリストをとことん見下している。
私が取材する場所で、他のジャーナリストが一緒にいるということは、
滅多にない。
アフガニスタンでも、アブハジアでもそうだった。
誰も私のところまではついてこられない。
パレスチナの衝突現場は、誰でも行けるところにあるので、
私は例外的に、他の大勢のジャーナリストと一緒に取材する羽目になった。
今日、ロイターが配信しているパレスチナの写真を見たところ、
外国のメディアの記者連中が写っていた。
思い出して笑ってしまった。
記者たちが分厚い防弾チョッキに身を固めていたからだ。
相変わらずだ。
2000年に私が取材したときも、
外国人報道陣はラマッラの投石ポイントで防弾チョッキとヘルメットで武装し、
石を投げる子どもたちのずっと後ろから、望遠レンズで写真を撮っていた。
アメリカ人の写真家が言った。
「君も防弾チョッキを着けた方がいい。デパートで買えるから」
馬鹿野郎、そんなみっともないカッコするくらいなら、
首をくくって死んじまわあ。
子どもたちはもちろん、防弾着なんて身に着けていない。
絶対安全圏にいるジャーナリストは、子どもの誰にでもいいから、
ヘルメットを貸してあげればよさそうなもんだ。
そうすれば、死なずにすむ。
撃たれた子どもが死んでゆくところを、
ハイエナのように待ちかまえていた記者たちは、
後方から一斉に集まってきて撮影を始めるのだ。
Tシャツにジーンズの子どもたちの脇で、
大仰なヘルメットと防弾チョッキに身を包んだ彼らは、
イスラエルの兵士と大して変わらぬ姿に見えた。