Зимний сон

これから西東京FMラジオに生出演。
チェチェンの話を中心にする予定だ。
現地の音楽を紹介する企画があるそうなので、
Алсу(アルスー)のЗимний сон(冬の夢)を持って行こうと思う。
やさしい、せつないメロディ。
アルスー旧ソ連全域で親しまれている若い女性アーティストだ。
ロンドンで活動中だが、モスレムのタタール民族出身で、ロシア語で歌う。
イングーシに滞在していたとき、
チェチェン難民の母子がいつも一緒に歌っているので、すっかり覚えてしまった。
グルジアトビリシで、
バスの隣に座っていたおじさんが広げていたタブロイド紙には
アルスーふるさとへ凱旋!」の見出しが一面に踊っていた。
私が持っているアルバムは、モスクワの地下道に店を出していた露店で、
一枚3.5ドルで買ってきたものだが、
民宿に戻って家主のガリーナに見せびらかすと、
実はガリーナも同じCDを持っていたことが分かった。
チェチェンイスラム聖戦士たちは、
こっそり持ち込んだラジオ付きウォークマンで聴いていた。
前線の向こうでは、ロシアの兵士たちが同じ曲を聴いているはずだった。